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Top > 写真と日記と胸のうち > 氷河での孔掘り
氷河での孔掘り
前日,倒れないでいてくれた積雪深観測タワーを無事発見出来た興奮からか,朝早くに目が覚めた。
朝5時,気温は-23.7℃。
思い立って日本の友人に電話。
きっといい仕事が出来る。
その興奮を伝えたかった。

***
さて,本格的な孔掘りのはじまり。
タワーの底のデータロガーは足下6.5mの深さにある。
ランゲル山では積もった雪はほとんど融けない。
深いところにある雪は,上に積もった雪の重みでどんどん押し固められていく。
2mも掘ると,カチカチでスコップでは歯が立たなくなってくる。

そこで使うのが,チェーンソー。

電動チェーンソーを持ち込んだ。
固くなってからは雪をブロック状に切り出していく。
そして搬出路からそりでひっぱりあげてもらう。
深くなるに連れて,雪はどんどん固くなるし,搬出路も拡張しなければならない。
表面で1m掘るのと,3mまで掘り進んでからの1mでは掘るのでは大違い。
掘れば掘るほど大変になっていく。

フィールドアシスタントのFrankが鬼のような働きっぷり。
私が息を切らせながら切り出したブロックを,あっという間に上に運び上げてしまう。
標高4000m上がりたてで,低所と変わらない運動量を見せてくれた。
信じられない男だ。
Andyは彼のことをDigging Machineと呼んでいた。
言いえて妙。

ちなみに,雪氷学では,積もって1年間経っていないものを雪,1年以上経過したものをフィルンと呼ぶ。
フィルン(あるいは雪)の通気性がなくなるとようやく氷になる。
今回掘ったのは積もってまだ1年間経っていないので雪である。

| 写真と日記と胸のうち | 03:00 PM | comments (0) | trackback (0) |









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