2006,06,23, Friday
前日,倒れないでいてくれた積雪深観測タワーを無事発見出来た興奮からか,朝早くに目が覚めた。
朝5時,気温は-23.7℃。 思い立って日本の友人に電話。 きっといい仕事が出来る。 その興奮を伝えたかった。 *** さて,本格的な孔掘りのはじまり。 タワーの底のデータロガーは足下6.5mの深さにある。 ランゲル山では積もった雪はほとんど融けない。 深いところにある雪は,上に積もった雪の重みでどんどん押し固められていく。 2mも掘ると,カチカチでスコップでは歯が立たなくなってくる。 そこで使うのが,チェーンソー。 電動チェーンソーを持ち込んだ。 固くなってからは雪をブロック状に切り出していく。 そして搬出路からそりでひっぱりあげてもらう。 深くなるに連れて,雪はどんどん固くなるし,搬出路も拡張しなければならない。 表面で1m掘るのと,3mまで掘り進んでからの1mでは掘るのでは大違い。 掘れば掘るほど大変になっていく。 フィールドアシスタントのFrankが鬼のような働きっぷり。 私が息を切らせながら切り出したブロックを,あっという間に上に運び上げてしまう。 標高4000m上がりたてで,低所と変わらない運動量を見せてくれた。 信じられない男だ。 Andyは彼のことをDigging Machineと呼んでいた。 言いえて妙。 ちなみに,雪氷学では,積もって1年間経っていないものを雪,1年以上経過したものをフィルンと呼ぶ。 フィルン(あるいは雪)の通気性がなくなるとようやく氷になる。 今回掘ったのは積もってまだ1年間経っていないので雪である。 |